高齢者向け住宅に住むメリットとは何か
国内の高齢化が進んでいる現在では、高齢者向けのサービスや施設が増えてきています。
その中でも注目を集めているのが、「高齢者向け住宅」です。
高齢者向け住宅に住むメリットの1つとして自分らしい生活ができる点が挙げられます。
高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者または要介護・要支援認定者とその同居者という部分を除けば、一般的なマンションなどと大きな違いはありません。
例えば、好きな時に食事や外出ができるなど、今までの生活リズムを崩すことなく自由に生活することが可能です。
それぞれの部屋は独立しており、ほかの住民から生活の干渉を受けることはありません。
このため、自分のプライバシーを守りながら日常生活を送ることができるのです。
高齢者の中には、老人ホームへの入居を躊躇する方も多く見られます。
その理由として、「今までの生活を変える必要がある」といった点を挙げる方は少なくありません。
しかし高齢者向け住宅であれば、そういった心配をする必要がないため、多くの方に選ばれています。
高齢者向け住宅はバリアフリーのある空間
2つ目の高齢者向け住宅に住むメリットとは、高齢者が生活することを前提として、生活空間が作られている点です。
高齢になると、どうしても身体機能は低下してしまいます。
そのため、ちょっとした段差に躓いたり転倒したりして、怪我をしてしまう事例も珍しくありません。
その点、高齢者向け住宅は、安全を確保するための基準が細かく設けられ義務化されています。
具体的には、居室内は段差のないバリアフリー構造であり、エントランスや共用部も手すりやスロープが設置され、廊下やトイレなどのスペースが一般的な住宅よりも広めに作られています。
これは、転倒・転落防止のほか、車いすの移動の妨げにならないための基準です。
転倒事故の場所として特に多いのは浴室です。
床が濡れているため、気を付けていても転倒の危険性は高いと言えます。
対策として高齢者向け住宅では、転倒防止のために床に滑り止めをつけたり、手すりがつけられています。
賃貸契約のため気軽に入居できる
3つ目の高齢者向け住宅に住むメリットとは、気軽に入居しやすいという点です。
老人ホームなどの施設に入所すると、契約によって長い期間その施設で住み続けることを余儀なくされてしまうケースも出てきます。
一方、高齢者向け住宅は賃貸契約であるため、老人ホームなどと比較すると気軽に入居しやすい傾向にあります。
一般的な賃貸物件の場合、事前に退去の意思を大家に伝えておけば、いつでも退去することができますが、高齢者向け住宅でも同じように、施設側に伝えればスムーズに退去することが可能です。
住まいを変えるにあたって問題になるのは、「ほかの住人と仲良く過ごせるか」「新しい環境に適応できるか」などでしょう。
高齢者の場合、住み慣れた家からなかなか離れられない方も多く、新しい環境への適応に不安を感じることも、その一因となっています。
高齢者向け住宅では、もし新しい生活に馴染めなければ、比較的簡単に退去することができます。
新しい環境に飛び込むことを重く考えず、自分の居場所を探すような感覚で入居することもできるでしょう。