墓石の種類と選び方
墓石の選び方で鍵になるのは耐久性
自分の終の棲家、あるいは大切な人を亡くしたら「できるだけ値段の高いお墓が良い」と考える方は多く見られますが、お墓の選び方において特に重視すべきポイントは墓石の耐久性です。いつまでも風化せず、変わらずに良い状態を保ち、家族もお参りに行きたいと思える選び方を意識することが大切です。
墓石の耐久性は、硬度・吸水率・光沢度などから判断できます。硬度と光沢度は高ければ高いほど、吸水率は低ければ低いほど、耐久性のある墓石となります。
また、墓石のデザインも注意したいポイントです。一口に墓石といっても、黒っぽいものから薄いグレーのもの、暖色含んだものまでさまざまです。好みの色を選ぶことはもちろん、墓石に刻む文字とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
多くの方が気にするポイントとして「値段」を挙げることができますが、国産のものは工事費を含めると最低でも100万円前後から、高いものになると500万円にもなります。予算を低めに抑えたいなら、中国産の石を選択すれば、50万円ほどから選ぶことができます。
国産の石の種類と注意したいポイント
数ある国産の石の中でも、知名度・価格ともに最高峰である種類の一つに、香川県産の庵治石細目(あじいしこまめ)があります。美しい花のような「斑(ふ)」と呼ばれる模様が特徴です。
庵治石の中でもさまざまなグレードがあり、石目がきめ細やかで、石の色が青く、斑の模様が均一なものが等級の高いものとされています。庵治石細目はその中でも最高級です。価格が若干下がるものとしては、庵治石中目が挙げられます。代表例として、色合いが薄めのグレーで、シンプルな柄の石である愛媛県産の夏山石があります。庵治石中目は色褪せしにくく、100万円前後の価格帯です。
さらに、国内で唯一とも言える、緑がかった閃緑岩に属する石である岡山県産の備中青みかげ石と呼ばれるものがあります。ただし、採掘される原石がとても少ないため、供給が少ないのが難点です。
最後に、吸水率が低い上に硬度も高く、バランスがとれている種類として評価されているのが、福岡県産の唐原石(とうばるいし)です。青みかげ石の中でも、比較的人気がある石と言えます。中国産のものと比較すると、国産の場合は価格が50万円前後高くなります。
低価格かつ高品質な海外産の石について
海外産は国産のものに比べて、低価格帯で購入できる点が一番の魅力です。とは言っても、品質が劣っているかと言えば決してそういったことはありません。
例えば、インド産のカルナードグレイ石は色褪せしにくい上に耐久性があるにも関わらず、100万円で購入・施工が可能です。同じインド産の種類として、ニューインペリアルレッドがありますが、この石は世界でもっとも赤い石とされています。
また、硬度・光沢度の両方を求めるなら、インドクンナムも検討できるでしょう。0.011%と驚異的な吸収率を誇り、耐久性にも優れた石です。
海外産の墓石用石材として特に多く使用されているのは、中国産の浦田石です。その理由としては、バランスのとれたデザイン、色褪せしにくい点、そして価格の低さなどが挙げられます。
濃い目の色を好む方であれば、紫雲石をセレクトするのも良いでしょう。落ち着いた深緑であるため変色しにくいですし、石に文字を刻んだ際も見やすい石です。ほかにもスウェーデンやアフリカなどで産出される石も見られますが、中国産やインド産と比べると値段は高めです。