葬儀と葬儀社について
葬儀にはどんな種類があるのかを知っておく
日本人の90%は仏式の葬儀を行っていますが、最近は形式や世間体よりも故人の意向を重視して行う方が増えてきています。仏式以外にも神道式やキリスト教式などのものがありますし、無宗教の場合にも自由葬・音楽葬・お別れ会・偲ぶ会・生前葬といった種類があります。
自由葬や音楽葬などは、いずれも決まった形式がありません。故人のことを偲ぶために思い出の曲やビデオを流したり、焼香の代わりに献花を行ったりします。参列者に違和感を持たれないように葬儀社ともよく相談して、故人の意向が反映されるようにする必要があります。
生前葬と言って、本人が元気な間に自分の葬儀を自分で行うものもあります。お世話になった人を直接招いて、感謝を伝えることができますし、自分の思い通りにデザインできることから、この形式を選ぶ方も年々増えてきています。
規模に関しては、身内だけで行う密葬や、家族と親しい友人だけで行う家族葬を選ぶ方が年々増えています。しかし、この形式を選択する際には呼ばれなかった方の気分を害する恐れがあるため、どこまでの人たちに参列してもらうかを慎重に決めなければなりません。
やはり気になる費用、どのくらいかかるか
葬儀の際にかかる費用は、多岐にわたります。地域や内容によって大きく異なりますが、平成26年に日本消費者協会が調査した結果によると、費用の全国平均は1,222,000円、飲食接待費用は339,000円、寺院の費用は446,000円、すべてを含めた費用の合計は1,889,000円となっています。
近年では、多くの方が単なる世間体や形式のために、多くのお金をかける必要がないと家族葬を選択するようになっています。家族葬であれば、費用は50万円前後、もしくはそれよりも安く済ませることが可能です。
こうした葬式そのものにかかる費用に加えて、近所の手伝いに来てくれた方や世話役に心づけとして2,000円~20,000円の金額を渡したり、病院から故人を搬送したりするのにもお金がかかります。搬送費は基本的に10キロ単位で加算される事が多く、詳細は直接問い合わせてみることをおすすめします。
さらに、香典返しがあります。どのくらいの香典をいただくかは千差万別ですが、70万から90万というほどの総額が多くなっています。香典返しは「半返し」とされていますから、四十九日法要が終わった後にカタログギフトなどの形でお返しすることも予算に入れておくことが必要です。
数多くある葬儀社、賢く選ぶポイント
葬儀社を選ぶことに慣れている方はあまり見られないため、「近所にあるから」「有名だから」と言った理由で選び、相手の言い値で契約し、多額の費用を払わされて後悔してしまうといった方は多くいます。そのため、葬儀社を選ぶ際には各社から資料を取り寄せて、7~8社をピックアップし、比較検討する必要があります。
全国的にはあまり名前が知られていない、地元の小さな会社も選択肢に入れておきましょう。一般的に小さな会社がいい加減なサービスを提供していれば、経営が続かないことが通常であるため、長年に渡って地元の人たちに支持されている会社は細やかで誠実なサービスをしてくれることが多い傾向にあります。
最近はインターネットでポータルサイトが開設されており、全国の葬儀社をこちらのリクエストに合わせて検索し、無料の見積もりをお願いすることもできます。ある程度、お願いしたい会社を決めたら、今度は実際に担当者に直接会って、細かい点まで含めて確認しておきましょう。いずれも、もしもの事があってからでは時間も心の余裕もないことが予想されますので、生前お元気なうちから考えておかれることをおすすめします。