グループホームとは
介護施設のひとつ、グループホームの特徴とは
介護施設の中で、「グループホーム」と呼ばれる施設が日本全国にあります。軽度の認知症の方が入所する施設のことであり、社会福祉法人や地方自治体、NPOなどが運営しています。
高齢化が進む中で、認知症の問題もますます深刻になっています。2012年の段階で462万人程度の認知症患者がいると推定されており、65歳以上の4人に1人が認知症並びにその予備軍であると言われているほどです。高齢者の増える将来、認知症患者もさらに増加する恐れがあります。
グループホームと言うだけあって、この施設では共同で生活を送る形式となります。この共同生活単位を「ユニット」といい、5人から9人くらいでユニットを構成します。それぞれに役割分担をしながら、少しでも自立した生活が送れるように、介護スタッフのサポートを受けつつ過ごします。
ただし、認知症の症状が進行して食事や着替え、排せつなどの日常生活に必要なことが自分でできなくなると、退去を命じられる可能性もあります。そのほかにも、慢性疾患による医療ケアが日常的に必要になった場合も、退去を命じられることがあります。
グループホームに入所するための基準と費用
グループホームの入所では、65歳以上であること、要支援2もしくは要介護1以上の認知症患者であることが条件とされています。この条件を満たした上で、施設のある市町村に住民票のある方が対象となります。
そのほかにも、施設ごとに細かな条件を設けている場合があるため、申し込み前に確認しておきましょう。自分の身の回りのことができる、共同生活を送るのに支障がない、感染症にかかっていないなど、施設によって異なる条件が設けられています。
入所するにあたって費用を準備する必要がありますが、施設によって費用には差が見られます。費用に関しては、主に初期費用と月額費用に分けられます。
初期費用の差は特に大きく、無料の所もあれば、数百万円程度かかるような施設もあります。月額費用に関しても、安い所では15万円、高くなると30万円ほどかかる施設も見られます。全体的な傾向では、都市部にある施設ほど費用が高くなっています。
グループホームでスタッフが提供するサービス
施設内で提供されるサービスについては、まずは食事や洗濯、掃除などの家事関係のサポートがあります。そのほかには、それぞれの入所者の状態に応じて、必要なサービスが提供されます。また、リハビリなどの機能訓練や、緊急事態が起きた時の避難などにも対応しています。
ただし、グループホームは自宅で過ごすのに極力近い環境で生活してもらえるように努めています。自分でできることは自分で行ってもらうことで、認知症の進行を抑えられる可能性があるためです。介護スタッフは、認知症に関する知識やケアのスキルを持った人たちが中心であるため、家族としても安心してケアを任せられるでしょう。
グループホームは1990年頃にスウェーデンから伝わったまだ新しい施設であるため、数が少ない傾向にあります。このため、入所待ちの状態になる可能性が高いとされています。中には、数年単位で入所待ちをしている人も見られるため、どの程度待機期間が見込まれるかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。